マルチタスクが苦手なHSPのために、タスク管理のコツやうまく対処できない「盲点」をお伝えしています。
マルチタスクをこなすのに必要なことは「いつ、どうやるか」です。
優先順位のつけ方、スケジューリングのポイント、またHSPがやりがちなNG行為について、会社員歴うん十年のHSPの私が実際に効果のあった対処法をご紹介しています。
これから紹介するのは実際に有効だなと感じた「コツ」と「考え方」です。
「やるべきこと」と「やるべきではないこと」がわかれば、急に仕事をふられても振り回されずにすみます。
「マルチタスクでも慌てない、もし慌ててもだいじょうぶ」と不安にならない方法をご紹介していきますので、よかったら試してみて下さい。
Contents
マルチタスクに必要なことは「いつ、どうやるか」
HSPはマルチタスク(複数の作業を同時進行で並行してやること)が苦手と言われています。
HSPに限らず、そもそも人間の脳はひとつのことにしか集中できないのですが、スピードや効率化が求められる職場では、あれもこれもと仕事が山積みになってしまうものです。
たいていの場合、仕事を依頼してくる相手は複数いて、こちらの都合や状況を考慮してくれることはないでしょう。
締め切りもまちまちだったり、時には重なってしまうこともありますよね。
その都度フレキシブルな対応が求められますが、マルチタスクに必要なことは「いつ、どうやるか」です。
- 優先順位をつける
- スケジューリングする
- ムダを省く
この3点は当たり前に思えるかもしれませんが、かみ砕いていくと「盲点」が見えてきますので、詳しく説明していきましょう。
優先順位をつけるコツ
優先順位をつけるといっても、ほとんどの場合が自己判断にゆだねられているものです。
ここで見通しがあまかったり、優先づけを誤ると計画倒れとなってしまいます。
仕事の優先度を決める要素は「緊急性」と「重要性」の2つがあります。
『7つの習慣』という有名な自己啓発本の中で「時間管理マトリクス」として紹介されているものです。
~for GEEKより引用
上記の表にタスクを分類してA(緊急性が高くて重要性が高いもの)から優先して作業をすすめていくのです。
いちいち表にして分類なんかできない、という方もご安心ください。
まずは緊急性、その次が重要性
ひとまずコレだけ覚えておけばどうにかなります!
ココだけでもいいので覚えておいてください。
判断を迷いやすいのがBとC
判断を見誤りやすいのが
Bの「緊急性は低いが重要性は高い」作業と
Cの「緊急性は高いが重要性は低い」作業です。
クドいようですが時間管理のポイントは「緊急性」の判断です。
なので、Cが優先度が高くなります。
やっかいなのが、同じ仕事でも人やタイミングによって優先度が変わってくることです。
相手の立場や状況が変化するとたちまち「緊急フラグ」が立つことがあるためです。
上司や相手の方に判断を仰いだり、確認をとっておくようにしましょう。
Bの「緊急性は低いが重要性は高い」作業は時間があるときにやっておく仕事です。
- 毎日決まった時間にやる
- 他の作業に煮詰まったときに気分転換にやる
と、うまく進みます。
忙しいときはBの作業時間を縮めたり、余裕があるときは代わりにDの作業を入れたりと
「伸び縮み可能な調整作業」と捉えておくといいでしょう。
スケジューリングのポイントはタスクの見える化
タスク時間を計っておく
よく先の見通しが立てられなかったり、見誤ることが多い人は、タスクの見積もりができていないことが多いです。
これを防ぐには、まずは普段のいち作業にかかる時間をあらかじめ計っておくことです。
これは家事でもおなじことが言えます。
ちょっとした隙間時間に、「10分あるからお風呂そうじをしちゃおう」というように予定を立てやすく、誤差が出にくくなるのでおすすめです。
タスクはすべて紙に書き出す
あれをしてこれをして・・・、次は・・・あ、思い出した!アレもやんなきゃ・・・。
という風にタスクをつらつらと頭の中で考えてしまうこと、ありますよね。
HSPならば連想が得意ですので、なおさらかもしれません。
けれどもタスクは全て紙に書き出してしまいましょう。
どんな小さなことでも書いておけば、あとは忘れてもOKなので脳の負担が減ってスッキリしますよ。
何をいつやるか、という優先順位づけは時間をとって後で計画を立てればいいのです。
2分以内にできることであれば、すぐにとりかかって終わらせてしまいます。
この方法は“Getting Things Done(仕事を成し遂げる)”といわれ、『はじめてのGTD ストレスフリーの整理術』というベストセラーに書かれています。
この本ではTODO管理の仕方が紹介されていますが、やるべきことに集中できる、実にシンプルで実用的な手法なのでおすすめですよ。
余裕をもたせる
スケジューリングするときのコツは余裕をもたせることです。
そんな時間はない!と思うかもしれませんが、すこしでもいいので余白の時間を設けておくことがリスクヘッジにもなります。
また空いた隙間時間に別の作業をあてることもできるので、時間をフレキシブルに使うことができるようになります(こういう時のためにも、普段のタスク時間を把握しておくと便利です)。
HSPがやりがち!マルチタスクを邪魔するNG行為とは?
完璧を目指してしまう
HSPの人は仕事がていねいでミスのないように仕上げるため、「仕事が遅い」と言われてしまうことがあります。
先ほど提案した「余裕をもたせる」にもつながるのですが、完璧を目指すことをやめると時間がつくれるようになります。
完璧を目指してしまう背景には、自分を認めてもらいたい、ほめられたいと思っている部分がありませんか?
もしそうだとしたら、完璧を目指すよりも8割の完成度でかまわないので早く仕上げる方が、逆に実力を認めてもらえることがあるのです。
「そんな未完成のものを」と思うかもしれませんが、上司や先方に提出する際に、「まだ8割ですが」「途中段階ですので修正いれますが」と断りを入れてから出してみてください。
方向性が間違っていた場合も軌道修正ができますし、お互いに微調整がしやすく効率がよいのです。
ゴールは「100%の完成度」だとしても、そこにたどりつくまでの「こだわり」や「完璧主義」はちょっと横に置いておくのも手ですよ。
メールに時間をかけすぎている
HSPの特徴として文章を書くのに時間がかかる、というのがあります。
私もそうなのですが、仕事の大半がメールを通してコミュニケーションをとっているため、社外の人や立場が上の方とのやりとりに、ものすごく気をつかい時間がかかっていました。
そんな方におすすめなのが、こちらの本『仕事が速い人はどんなメールを書いているのか』です。
- メールが早い=仕事も早い
- 正確さ<早さ・タイミング
- 必要以上に下手にでない
などなど、もっと早く知っておきたかったことが満載でした。
お仕事でメールを使っている方にはおすすめですよ!
まとめ
いかがでしたか?
この記事ではマルチタスクが苦手なHSPのために、実際的なタスク管理や心がけをお伝えしてきました。
ポイントをまとめておきます。
- マルチタスクに必要なことは「いつ、どうやるか」
・優先順位をつける
・スケジューリングする
・ムダを省く - 優先順位をつけるコツは時間管理マトリクスで
・まずは緊急性、その次が重要性 - スケジューリングのポイントはタスクの見える化
・タスク時間を計っておく
・タスクはすべて紙に書き出す
・余裕をもたせる - マルチタスクのNG行為は
・完璧を目指す
・メールに時間をかけすぎる
人は誰でもやれることはひとつです。
HSPは決して仕事ができないわけではありません。
ただ、やり方はわかっているのに、何をやったらいいのか混乱してわからなくなるのです。
マルチタスクは、ひとつひとつやるべきことをこなしていけば怖いものではなくなります。
そのためには事前の準備や、効率よく時間を使うこと、フレキシブルに対応するための余裕が大切です。
スケジュールは常に動いていて、いつどんな変更が生じるかわかりません。
そんな不測の事態をあわてずにのりきれるように、ご紹介したスキルが少しでもお役に立てたらうれしいです。