うつ病とHSPの症状はとても似ているため混合されやすく、誤診されている場合もあります。
この記事では違いを見分けるポイントをわかりやすく解説し、
うつ病かどうかが簡単にわかるチェックリスト、
「HSPとうつ」について書かれた本などもご紹介しています。
Contents
HSPとうつ病は混同されやすい
HSPと混同されることが多いのが「うつ病」です。
うつ病の特徴的な症状としてあげられる
・眠れない
・疲れやすい
・気分が落ち込む
・自信が持てない
などがHSPの訴える不調と似ているためです。
HSPという概念自体を知らない場合、症状だけでみていくとあまり違いがないため、知名度がある「うつ病」だと見誤ってしまう恐れがあります。
また、精神科医でもHSPについての知識が十分でないと「うつ病」と誤診してしまうこともあるため注意が必要です。
自分がHSPかどうかはこちらのセルフチェックリストでわかりますので、やってみてください。
https://hsp-channel.com/2018/11/26/hsp-selfchecklist/
うつ病と誤診されているHSPも存在する
HSPでも、うつ病や統合失調症などの精神疾患にかかっている方はいらっしゃいます。
ただ問題なのは、HSPなのに「病気だ」と誤診されてしまうことが無きにしも非ずだという点です。
『精神疾患ということになれば、ほとんどの場合、抗うつ剤や睡眠薬などの薬を処方されます。そして、薬の効果が認められなかったり、弱いときには、量を増やすか、強い薬に変更することになります。』
~『脳科学委が教える他人に敏感すぎる人がラクに生きる方法』高田 明和著より引用
精神的な不安を薬で解消しつづけていると、どんどん薬に依存していくことになりかねません。
一度慣れてしまうと手放せなくなってしまう点が怖いのです。
※精神疾患の方が医師の指示どおりに服用するのであれば問題は起こりません。HSPが誤診されてしまった場合を述べています。
精神疾患でよく処方されるのが向精神薬です。
脳に直接作用する薬ですし、副作用ももちろんあります。
向精神薬の薬理作用と副作用
http://www.jpna.jp/nurse/psychopharmaceutical.html
(日本精神科看護協会HSPより引用)
病気ではないので処方された薬も効かず、副作用に苦しめられてさらに投薬が増えてしまう可能性もあります。
誤って本当は必要のなかった薬を服用することがないように、自分の身は自分で守ってください。
HSPは病気でもうつ病でもありません。
https://hsp-channel.com/2019/02/06/hsp-sick-developmental-disorders-asd-adha%ef%bc%9f/
HSPとうつ病の違いを見分けるポイントとは
HSPとうつ病を見分けるポイントは2つあります。
- いつからその症状が出ているか
- 自殺願望があるか
では順番に解説していきましょう。
ポイント1 いつからその症状が出ているか
まず最初のポイントは、「不調な症状が出る前と後とで状態が変わっているかどうか」を見分けることです。
HSP | 生まれつきの気質 | 薬で軽減することはできない |
うつ病 | 後天的な病気 | 薬が有効 |
~『最新医学研究からわかった!敏感すぎる自分が幸福いっぱいに変わる生き方』保坂隆 著より引用
HSPは先天的な「気質」によるものですので、変えることはできません。
程度の差こそあれ、幼いころから過敏さが感じられたのならばHSPでしょう。
- 五感が敏感で臭いや大きな音が苦手
- 教室などの人ごみは騒がしくて落ち着かない
- 誰かがつらそうにしているとすぐに気がつく など
一方、うつ病は後天的なものなので発症前後で落差があります。
うつ発症前 | うつ発症後 |
好奇心旺盛で活発 | 気分が沈み、何にも興味が持てない |
仕事人間 | 仕事に行くのを嫌がる |
~『最新医学研究からわかった!敏感すぎる自分が幸福いっぱいに変わる生き方』保坂隆 著より引用
不調な症状が先天的なものか、後天的なものなのかを見極めればHSPなのかうつ病なのかの見分けがつきます。
ポイント2 自殺願望があるかないか
うつ病の大きな特徴として強い自殺願望を持っていることがあげられます。
『うつ病の人は自尊心が著しく低下し、絶望感に襲われていますから、いっそのこと、と考えてしまうのです。』
~『脳科学委が教える他人に敏感すぎる人がラクに生きる方法』高田明和著 より引用
その反面、HSPは自己肯定感が低く、生きづらさを感じていても自殺願望はほどんとないでしょう。
自信が持てずにくよくよ悩んだり、自分を責めてしまうことはありますが、死を選ぶ、という考えにはいたりません。
うつ病チェックリスト
もしかして自分はうつ病なんじゃないか?
という疑問をお持ちの方は、こちらのサイトでチェックすることができます。
簡易抑うつ症状尺度(QIDS-J)
https://www.cbtjp.net/qidsj/
簡易抑うつ症状尺度(Quick Inventory of Depressive Symptomatology:QIDS-Jは、16項目の自己記入式の評価尺度で、うつ病の重症度を評価できるほか、アメリカ精神医学会の診断基準DSM-IVの大うつ病性障害(中核的なうつ病)の診断基準に対応しているという特長を持っています。
~「こころのスキルアップ・トレーニング」HPより引用
世界10カ国以上で使用されている実績があり、自分で簡単にうつ度をチェックできます。
※このチェックリストは診断結果をあらわすものではありません。うつ病かもしれないと思われる方は医師に相談し、症状を伝えることをおすすめします。
ストレスを感じているときや、人間関係につまづいているときは回答の強弱も変わってくるので、よりうつ傾向が強いとの診断結果がでる可能性もあります。
「うつの可能性がある」との結果がでて心配な方や、心の状態が依然とまったく違う、気分の落差が激しいという方は、医療機関に相談してきちんとした診断を受けてください。
HSPとうつの本『HSPとうつ 自己肯定感を取り戻す方法』
「うつ病かも?」と思うHSPの方に、ぴったりな本があるのでご紹介します。
この本はHSPとうつ病の違いがわかりやすく説明されており、自己肯定感を取り戻して対処していこう、ということが書かれています。
著者は医科大学の教授もつとめられた医学博士の高田明和氏です。
二度もうつ病と診断され、薬を服用したそうですが根本的な解決にはならなかったのだとか。
エレイン・アーロン博士がHSPを発表される以前のことだったので、残念ながら誤診されてしまったようです。
後になってからHSPという概念を知り「本当はうつ病ではなくHSPの症状だったのではないか?」と確信したのだそうです。
『HSP(過敏性症候群)とうつ病は、ともに自己肯定感が希薄になる点で共通項があり、HSPの人はうつになりやすいとも言われる。しかし、それだけにHSPの人がうつ病と間違えて治療を受け、症状を悪化させるようなケースも多い。本書はHSPとうつの違い、また、共通する部分を整理し、薬を使わない対処法を伝授。』
~廣済堂出版HP『HSPとうつ 自己肯定感を取り戻す方法』より引用
『HSPとうつ 自己肯定感を取り戻す方法』には、自分がHSPとうつ病のどちらの傾向が強いのか、チェックリストで確認もできるようにもなっています。
よかったら参考になさってください。
HSPがつらさから抜け出す方法
うつ病もHSPが困っている症状も、本人がどんなに辛くても、傍から見るとわかりにくい点が同じですね。
人から理解されずにつらい思いをし続けていると、どんどんマイナス思考に陥ってしまうものです。
自分ひとりで抱えこまずにきちんと対処するようにしてください。
うつ病はれっきとした病気ですので、医師による専門的な治療や投薬が必要となります。
また、心理療法でかなり改善することもわかっています。
自己判断せずにきちんと医療機関を受診するようにしましょう。
HSPの場合は、まずは自分を悩ませている要因をみつけ、防御したり軽減する対策をとってみましょう。
カテゴリーの「対策」にいろいろな症状別に対処法がありますので参考になさってください。
また、栄養不足からうつやパニック障害のような症状が出ることがあります。
こちらの記事も参考になると思いますので、よかったら読んでみてください。
https://hsp-channel.com/2019/04/15/book-utsukeshigohan/
https://hsp-channel.com/2019/04/04/book-tabeteutsunuke/
https://hsp-channel.com/2019/04/03/book-utunuke-syokujizyutsu/