HSPのあなたは空気を読んで周りに気をつかっているのに、無神経で図々しい人、わがままな人、協調性のない人に振り回されてはいませんか?
自分ばかりが犠牲になって疲れてしまったり、本心を押し殺してストレスをため込んではいませんか?
その原因は、HSPの物事の受け止め方、考え方のクセが大いに影響しています。
この記事では、この考え方のクセ=「認知のゆがみ」を修正していくことで、HSPの生きづらさ、人間関係の悩みを改善していく方法をお伝えしています。
周りを優先しているのにいつも自分だけ報われない、理不尽だ!と思っているHSPの方は読んでみてください。
ラクになれるヒントがありますよ!
Contents
HSPが人に振り回されてしまうのは「考え方のクセ」が原因だった!
HSPの人は物事の受け止め方、考え方にある一定のクセがあるのですが、これを心理学用語では「認知のゆがみ」といいます。
認知のゆがみは主に以下の9つがあげられます。
- 根拠のない決めつけ
- 白黒思考
- 部分的焦点づけ
- 過大評価・過小評価
- べき思考
- 極端な一般化
- 自己関連づけ
- 情緒的な理由づけ
- 自分で実現してしまう予言
~『こころが晴れるノート うつと不安の認知療法自習帳 大野 裕著』より引用
認知行動療法といううつ病や不安障害などの精神疾患治療で用いられている手法です。
大きな感情のゆれがあったときに、自分がどう考えていたのか「思い込みのパターン」を把握し、それが現実とどの程度食い違っているのか、文字通り「認知のゆがみ」を自覚して思考のバランスをとっていくのです。
上記の9つそれぞれにHSPが陥りがちな考え方のクセがあるのですが、無意識のうちにやっているため、なかなか自分で気づくのは難しかったりします。
ですが、「こういったことか!」とわかるように例を挙げつつ改善方法を説明していますので、HSPのあなたもきっと思い当たる点があるはずですよ。
https://hsp-channel.com/2019/02/28/characteristic-to-strong-belief/
①根拠のない決めつけ
根拠のない決めつけ…根拠が少ないままに思いつきを信じ込むことです。
過去の似た経験をひっぱりだして「あの時といっしょだ、きっと○○に違いない」と同一視することからこの思考におちいります。
どちらかというとネガティブな出来事と関連付けてしまうのですが、これは「もうあんな想いはしたくない」「傷つきたくない」という想いから心に保険をかけるためにやってしまいます。
現在の出来事だけを見て状況判断をするようにしましょう。
・過去と関連付けない。
・そう考えてしまう「根拠」をみつける
・想像や思い込みと事実を区別する
ヒソヒソ話をしている(事実)⇒だけども内容までは聞こえない⇒私の悪口だとは限らない
②白黒思考
白黒思考…灰色(あいまいな状態)に耐えられず、ものごとをすべて白か黒かという極端な考え方でわりきろうとすることです。
特に愛情や友情、成功や能力などを重要視してしまいますが、この世に100%はありえません。
相手も生身の人間ですので、自分の望むように感じて気持ちを返してくれるように期待しても要求通りになることは困難です。
すぐに良い、悪いでジャッジせずに、グレーゾーンを持つようにしましょう。
恋人が思うようにやさしく接してくれない → 別のことを考えていることもあるよね
③部分的焦点づけ
部分的焦点づけ…自分が着目していることだけに目を向け、短絡的に結論づけることです。
あいさつを返してくれなかった本当の理由は相手に聞かないとわかりません。
声が小さくて聞こえていなかっただけかもしれませんし、たまたま相手が考え事をしていたのかもしれません。
また、聞こえていたにもかかわらず無視をしたのかもしれませんが、機嫌が悪かったのかもしれませんし、いずれにせよあなたのせいではありません。
あいさつをしたけど返事がないな → 確実に聞こえてたよな → そういうこともある(自分に落ち度はない)
④過大評価・過小評価
過大評価・過小評価…自分が関心のあることは拡大してとらえ、反対に自分の考えや予想にあわない部分はことさらに小さく見ることもあります。
HSPは謙遜をしすぎたり、相手の発言の裏を読んで素直にうけとれないことがあります。
他人には優しくいい評価を与えるのですが、自分には厳しく、減点方式で評価しているため、「所詮、自分はこの程度の人間だ」と考えがちです。
この特徴を逆に利用して、自分を他人だと思って良いところ、長所をみつけていきましょう。
自分のことは他人と比べて卑下するクセがついているので、他人として客観的に見てみると案外がんばっていることに気づけるはずです。
所詮、自分なんてこんなもの →案外がんばっているな、褒めてあげてもいいよね
⑤べき思考
べき思考…「こうすべきだ」「あのようにすべきではなかった」と過去のことをあれこれ思い出して悔やんだり、自分の行動を自分で制御して自分を責めることです。
HSPは自分なりの「正しいこと」「こうあるべきこと」がしみこんでいるため、いつも道徳的で正しくあろうとし、自分のルールに到達できないと必要以上に責めたり落ち込んでしまいます。
これが他人に向けられると、「こうあるべきなのに」「私はルールを守っているのに」とイライラしたり怒りを覚えてしまいます。
- どんなときも仕事はがんばるべきだ
- いつも人にやさしく親切にしなくてはいけない
- 人を不快な思いにさせてはいけない
- 自分のことより他人を優先しなくてはいけない
- わがままや自分勝手なことをしてはいけない
- 自分は不出来なんだから努力して当然だ
- 母親なのだから毎日食事を作らなくては
- 部下なのだから上司の命令は聞くべきだ
- 父親として必死に働くのは当然のことだ
これも白黒思考と同様で、「正しい」「間違っている」の二択ではない、グレーゾーンがあっていい、と自覚することです。
例外があること、選択肢はいくつもあることを忘れてしまいがちですので、心にゆとりを持つように心がけましょう。
沖縄の人は「~しましょうね」という言い方をよくします。
意味合いは同じでも言葉がちがうだけで受け取るニュアンスがだいぶ変わってきますよね。
~すべき、と思っている自分に気がついたら、「~しましょうね」と言い換えてみてください。
~すべき、~しなくては → ~しましょうね、そんなこともあるかぁ とやわらげてみる。
⑥極端な一般化
極端な一般化…少数の事実を取り上げ、すべてのことが同様の結果になるだろうと結論づけてしまいます。
あくまでも指摘されたのはミスなのに、人間性や存在を全否定されたかのように感じてダメージを受けてしまのは、
批判されること=恐怖 と捉えてしまうからです。
事実だけをみつめるようにしましょう。
「ミスの指摘=自分への評価」ではありませんし、人格否定まではされていませんよね。
ミスが起こらないように原因をチェックして事前に防ぐようにする =いい教訓になった、解決策が得られた と捉える
⑦自己関連づけ
自己関連づけ…何か悪いことが起きると、自分のせいで起こったのだと自分を責めてしまいます。
取り越し苦労が多いタイプは、相手が不機嫌な理由を自分のせいだと考えて、あれこれ気を遣って疲れてしまいます。
原因を分析しては深みにハマってしまい、「他に要因があるのでは?」ということまで考えがまわらなくなる傾向があります。
まずは、ああかな、こうかな?と推測で態度を読み取るよりは、同様の態度を他の人にもしているのか否か、じっくり観察してみましょう。
それでもわからなければ、直接確かめてみる方が万策です。
HSPにしてみたら、そんな大胆な行動はとれない…と思いがちですが、聞き方を工夫してみてください。
- 「元気がないようだけど、お茶のむ?」と別の話題をふって様子をみる
- 「具合でもわるいの?」と心配しているよ、と態度で示す
取り越し苦労で疲れてしまう前に、問題が深刻化する前に、明るみに出して改善策をとる方が傷は浅くてすみます。
原因が自分にあるとわかったのならば、謝って改めれば改善に向けた行動がとれますし、誤解があるのなら、きちんと釈明すればいいのです。
⑧情緒的な理由づけ
情緒的な理由づけ…そのときの自分の感情に基づいて、現実を判断してしまいます。
HSPは不満をため込んで我慢の限界まで耐えて、爆発させてしまうことがあります。
白黒思考の影響もあるのですが、一時の感情で極端な思考に陥りがちなため、感情的になっているときは大事な決断をくださないようにしましょう。
とりあえずクールダウンさせて、仕切り直しをしてからでも決して遅くはありません。
映画を見る、運動する、というように全く関係ないことをして気分転換をする。
⑨自分で実現してしまう予言
自分で実現してしまう予言…自分で否定的な予測を立てて自分の行動を制限してしまい、自分の行動を制限するものだから、予測通り失敗してしまう。
その結果、不定的な予測をますます信じ込み、悪循環におちいってしまいます。
HSPの人は先回りして物事を考える傾向が強いため、自分なりの予測や前提があるものです。
それに添った行動をとることで、想定通りの結果が返ってきやすいため、「やっぱり考えどおりだ」と印象を強めてしまうのです。
同じ行動をして同じ結果を得るのは当然のことです。
まずは望んだ結果を手に入れるよう、いつもとは違う行動をとることで変化をつけてみましょう。
あぁ、また話せないな。やっぱりそうだ → たまには勇気をだして話しかけてみよう
さいごに
いかがでしたか?
HSPのあなたにも思い当たる「認知のゆがみ」が見つかったのではないでしょうか?
考え方のクセというのは、長年脳裏に染みついているものなので、なかなか自分では気づきにくく修正するのが難しいと言われています。
ですが、この記事によってあなたを振り回してきたのは、実は他人ではなく、自分の考え方のクセ、信念のせいだったということがわかったかと思います。
自分の事であれば、いくら難しくても他人を変えるよりも簡単です。
考え方はあなた次第で変えられます。
すこしずつでも自分の「認知のゆがみ」を修正して、「生きづらさ」を和らげる方向に動いてもらえたら何よりです。
あなたの生きづらさが少しでも楽になりますように!
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