HSPって何なの?といったHSPの基礎情報をひとまとめにした記事です。
コレだけ読めばHSPのことが一通りわかるようになっています。
どんな特徴があるのか? 具体例が挙げてあるので「あるある~」とわかりやすいはずですよ!
HSPに該当するかチェックできるセルフテストもありますのでやってみてください。
そもそもHSPが敏感な原因は? 発達障害なの?といった疑問にも回答しています。
あまり情報のないHSP/HSSのこともまとめています!
「Contents」の読みたい記事をクリックすれば、直接とばして読むことも出来ますので、お好きなところからどうぞ!
Contents
HSPとは?
HSPって何のこと?
HSPはアメリカの心理学者、エレイン・N・アーロン博士が1996年に出版した、『The Highly Sensitive Person』(邦題『ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。 (SB文庫)』)のなかで提唱した概念です。
HSPとは「Highly Sensitive Person」の略で、「敏感すぎる人」や「とても繊細な人」と訳されています。
HSPの子どもは「Highly Sensitive Child」HSCと略され、最近では書籍などでも取りあげられることが多くなってきました。
HSPとは少しの刺激でも強く反応してしまう「感受性のするどい人」のことを称しています。
博士自身もHSPであり、幼少期から自らの繊細さや敏感さゆえに「生きづらさ」を感じてきたそうです。
ある心理療法をうけた際に長年抱えてきた「敏感さ」に焦点があたったことから研究を開始し、数年間にわたって何千人もの被験者の声を集め、「HSP」という概念を見い出したのです。
HSPのバイブル『ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。』
前出した著書の『ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。 (SB文庫)』は世界各国でベストセラーとなり、大きな反響をよびました。
HSPの「感受性の鋭さ」は、生まれ持った「気質」であり、生涯変わらないものであること。
性格によるものではなく、努力して改善すべき弱点ではないこと。
そう説明がついたことで、長い間背負ってきた肩の荷が軽くなったHSPは少なくないと思います。(何を隠そう、私もそのうちの1人なのですが。)
世界中の繊細で感受性の鋭い人びとにとって「HSP」という概念の提唱は、大きな朗報となったのです。
HSPは5人に1人
HSPは人種や国に偏ったものではなく、どの社会でも全人口の15~20%(つまりは5人に1人)の割合でいることがわかっています。
案外、あなたの身近にもHSPの人がいるかもしれません。
とはいうものの、非HSP(HSPではない人)の割合は80%ほどになりますから、比率的には少数派に属するため、なかなか理解されにくいというのが現状です。
該当しなければHSPじゃない! HSPの4大特徴「DOES」
アーロン博士は著書『ひといちばい敏感な子』のなかで、HSPの主な特徴として
DOES
D 「深く処理する」
O 「過剰に刺激を受けやすい」
E 「感情反応が強く、共感力が高い」
S 「ささいな刺激を察知する」
の「4つの面がある」と説明しています。
人一倍敏感な人にはこの4つの面が全て存在するということです。
4つのうち1つでも当てはまらないなら、おそらくここで取り上げる「人一倍敏感」な性質ではないと思います。
『ひといちばい敏感な子』より引用
DOESと言われてもピンとこない方も多いことでしょう。
わかりやすいように具体例をあげてみましたので、思い当たる点があるかチェックしてみてください。
「D 」物事の捉え方が深く、慎重に考えてから行動する
- すこしの説明で全体が理解できる。一を知って十を知る
- 調べ物をすると深く掘りさげていて、周りに驚かれる
- お世辞を言われてもすぐに本音を見抜いてしまう
- 物事をはじめるまでにあれこれ考えてしまい、時間がかかる
- その場限りの快楽よりも、生き方や哲学的なことに興味がある
「O 」刺激にとても敏感で疲れやすい
- 人混みやイベント、騒音が苦手
- 友だちと楽しく過ごしていたのに、帰宅してからどっと疲れがでる
- 映画や音楽、本などの芸術作品に深く感動する
- 相手の発言に傷ついてしまい、しばらく忘れられない
- ささいなことでも驚いてしまう
「E 」他人の気持ちに振り回されやすい、共感しやすい
- 人が怒られていると自分のことのように感じてしまう
- 悲しい映画は登場人物に感情移入してしまい、号泣する
- 相手のちょっとしたしぐさで、機嫌や思っていることがわかる
- 言葉を話せない幼児や動物の気持ちを察することができる
「S 」五感がするどい(音、光、臭い、味、触覚が敏感)
- 冷蔵庫の「ブーン」という低音や時計の秒針の音が気になってしまう
- 強い光やまぶしさが苦手
- となりに座った人の口臭やタバコの匂いで気分が悪くなる
- カフェインや添加物に敏感に反応してしまう
- 肌着のタグなどチクチクする素材は我慢ができない
- 第六感がはたらき、よく当たる
いかがでしたか?
「あぁ、わかるわかる!」という方はHSPかもしれませんね。
HSPの特徴は「えっ、これもそうだったの?」というくらい、他にもたっくさんあります。
もっと知りたいという方は、別の記事でまとめてありますので読んでみてくださいね。
https://hsp-channel.com/2018/12/14/characteristics/
あなたはHSP? 無料チェック診断テストで調べてみよう!
あなたがHSPに該当するかどうかは、セルフチェックリストで診断することができます。
チェックリストにはいくつか種類があるのですが、
- HSP提唱者のアーロン博士によるもの(全27問)
- デンマークの心理療法士イルセ・サンによるもの(全48問)
この2つの方法が主流となっています。
サクっと簡単に知りたい方は①アーロン博士 バージョン
詳しく知りたい方は②イルセ・サン バージョン
をおすすめしますが、アーロン博士のものを日本人向けにアレンジした医師の保坂隆先生が作成したものがやりやすいでしょう。
下記の記事では①アーロン博士、②イルセ・サン、③保坂隆バージョンの3タイプすべてがチェックできます。よかったらどうぞ。
無料ですし、質問に該当するものをチェックしていくだけですので、お時間のある方は是非とも3種類ぜんぶに挑戦してみてください。
https://hsp-channel.com/2018/11/26/hsp-selfchecklist/
HSPにも例外がいた!? 繊細なのに外向的なHSP/HSSとは?
HSPというと、「内向的で引っ込み思案、静かに過ごすことを好む」というイメージがあるかと思います。
ところが、HSPの中でもHSP/HSS(High Sensation Seeking)と呼ばれる「敏感で感受性が強いが、好奇心旺盛で刺激を求める」タイプも存在します。
HSP全体のなかでは、内向的なHSPタイプが7割、外交的なHSP/HSSタイプが3割ほどだと言われています。
という方はHSP/HSSかもしれませんよ。
HSP/HSSタイプの診断もこちらからできますので、よかったらチェックしてみてください。
https://hsp-channel.com/2018/11/26/hsphss-selfchecklist/
https://hsp-channel.com/2018/11/27/about-hsphss/
HSPが感じている「生きにくさ」「つらさ」
HSPは非HSPが気づかないような些細なことも敏感に感知します。
しかし、周囲の人(非HSP)からは「細かいことを気にしすぎる」「神経質だ」などと言われてしまい、気持ちを飲み込んでしまいます。
幼い頃からなかなか周囲の理解を得られないため、
「気にしすぎる自分がいけないんだ」
「自分がおかしいのかもしれない」
と自信が持てず、自己肯定感が低くなりがちです。
人間関係でも相手のちょっとしたしぐさなどから感情の揺れを感じ取っているため、先回りしてあれこれ考えを巡らせるのですが、うまく表現できなかったり周囲の意見にあわせてしまいます。
その結果、気苦労が多くて疲れ切ってしまうことが多いのです。
こういった空回りや徒労感が日々積み重なっていき、ストレスから体調を崩してしまうことも少なくありません。
敏感さとは真逆の性質をもつ、鈍感で無神経な非HSPの人たちの中では、「生きづらい」、「つらい」と感じてしまうのは無理もないことなのです。
https://hsp-channel.com/2019/02/08/hsp-way-of-living/
HSPはどうして敏感なの? 原因は?
もともと生まれ持った気質
HSPの敏感さはもともと生まれ持った「気質」によるものです。
「気質」というのはその人が本来から持ち合わせている心の特徴で、感受性や気分の傾向、反応の強弱などのことを言います。
体質と同じように変えることはできません。
お酒の弱い体質の人を酒豪にすることはできませんよね。
これと同じように、HSPの過敏さ、感じやすさは変えることができないのです。
HSPは大きくて高感度なアンテナを内臓しているようなもの
HSPは非HSPの人とくらべて、情報をキャッチするアンテナが大きくて高感度だと言われています。
外部からの情報を一斉に必要以上に受け取ってしまうため、頭の中で処理しきれなくなり、混乱してしまうのです。
HSPの脳はもともと興奮しやすい
HSPは非HSPの人とくらべて、もともと脳内の神経系統が高ぶりやすい傾向にあります。
- 扁桃体
- ノルアドレナリン
- コルチゾール
の影が大きいからだと言われています。
ちょっと専門的な話しになりますので、詳しくはこちらの記事でどうぞ
https://hsp-channel.com/2019/02/07/hsp-sensitive-cause/
HSPって病気なの? 発達障害との違いは?
これまでも述べてきましたが、HSPは「気質」であって病気ではありません。
また、発達障害や精神疾患、アスペルガー症候群(ASD)でもありません。
発達障害とは主に次の3つに分類されます。
自閉スペクトラム症(ASD)
学習障害(LD)
注意欠陥多動性障害(ADHD)
HSPの持つ敏感さと発達障害が混合されていることがあるのですが、これは、自閉スペクトラム症の人に感覚過敏の比率が高く、なかでも触覚・聴覚・視覚の過敏さが強い傾向にあるため、誤解されやすいのです。
HSPの臨床医である長沼睦雄氏は、著書『子どもの敏感さに困ったら読む本: 児童精神科医が教えるHSCとの関わり方』で
『自閉スペクトラム症の場合は、社会的なものごとに対する理解の鈍さがあります。
一方、HSCやHSPは社会的な理解がとんでもなくいい。共感力が高いのです。そこが決定的に違います。』
と明言されています。
https://hsp-channel.com/2019/02/06/hsp-sick-developmental-disorders-asd-adha%ef%bc%9f/
https://hsp-channel.com/2019/06/11/am-i-depressed/
HSPを診てくれる病院ってどこにあるの?
もしも自分が抱えている不安や敏感さが手に負えないときは、いちど病院や専門機関に相談してはいかがでしょうか。
ただ、残念ながら現在、HSPの専門医や病院はほとんどありません。
日本で唯一、HSPの専門医としてご活躍されているのが、先述した長沼睦雄先生です。
北海道で「十勝むつみのクリニック」を開業されています。
遠すぎて行けないという方は、民間のHSPカウンセラーに相談してみるのもいいかもしれませんね。
まとめ
いかがでしたか?
HSPについて、大まかな概要はわかって頂けたでしょうか?
●HSPとはエレイン・N・アーロン博士が提唱した「とても繊細な人」のこと。
●HSPの主な特徴は4つの「DOES」で、いずれかに該当しなければHSPではない。
●HSPかHSP/HSSかどうかは「チェック診断テスト」で判定できる。
●HSPが敏感な原因は…
→もともと持って生まれた「気質」であるため変えられない。
→HSPは必要以上に刺激を受け取ってしまうため。
→もともと興奮しやすい脳の神経系統の持ち主。
●HSPは病気でも発達障害でもなく、治すものではない
●HSPを診られる病院は「十勝むつみのクリニック」
HSPといっても特徴は人によってそれぞれ程度に差があったり、該当しないものもあります。
まずは自分がどういった特徴を持っているのか、知ることからはじめましょう。
特徴を理解すれば対処法がわかります。
HSPの知識を身につけることで、あなたらしい生き方を見つけることができるはずです!
このサイトでも随時、HSPにまつわる情報をご紹介していますので、自分の取り扱い説明書を作っていく感覚で、楽しみながら対処法にトライしてみてください。
「特徴」や「対策」のページはこちらです!画像をクリックしてください↓
あなたの「生きにくさ」がすこしでも和らぎますように!
あなたの「繊細さ」が「長所」になりますように!
https://hsp-channel.com/2019/06/04/recommended-books-basics/
https://hsp-channel.com/2018/08/12/rescue-remedy/